5月だったか、6月だったか良くは覚えていない。庭で1pほどの木肌色の螳螂を見て、今年もどこかで、生まれてでてきたなーと思っていたら、あっという間に秋になってしまった。 7月頃からは、僕が仕事から帰ってくると、彼はいつも外に置いてある水槽のガラスにしがみつき、水槽内の魚を睨みつつ、両手の鎌を小さく折り畳み、少し体を左右に揺らしながら覗き込んでいた。 11月も中旬になり、人生の最盛期のシーズン終わりに、大物を狙っていたのだろう。一発冒険的な狩りにチャレンジしようとしているようだった。 水槽の周辺は虫も良く集まり、初夏からジョロウクモも巣を張っていた。 僕は、奴がよく巣にかかった、カメムシやシジミ蝶を捕らえ、2時間程で食べてしまうのを観察していた。 そう言えば、11月の初旬には、水槽の上に綺麗に罠を張っていたジョロウクモは、姿がなく空巣状態になっていた。蜘蛛の生態を良くは知らないが、奴は年を越さないのだろうか? 釣りに行くと、野山にはまだ蜘蛛の巣があり、まだまだ狩りをしている奴らは、いっぱいいたのだが? もしかして、螳螂にやられてしまったのか? 11月下旬に入ってからは、とうとう彼の姿も見なくなってしまった。 水槽の魚の数は変わらず、狩れなかった事を知ったが、隣のスイレン鉢のメダカが同じ時期に3匹減っていた。 彼は、もしかして大物こそ捕らえそびれた様だが、程々の奴を3匹も仕留めたのだろうか? その後、彼もメダカの幾へも不明なので、答えは解らないが、なかなか素晴らしい螳螂だった。子孫を残していると良いのだがと思ってしまう。 また来年が楽しみだ。はたして彼だったのか、彼女だったのか? 写真は、11月半ばのものだ。
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