いつものように、川沿いの道を西へ走らせた。車の窓越しにムスカリの花を見つけた。(初物かな。 ) 「登り藤」という家紋はあるが、藤の花が上向きに咲くのは見たことがないし、不自然なもの、と以前から思っていた。しかし、ムスカリはよく似たシルエットで綺麗な青紫色の花を咲かせる。 それは、小さな登り藤の様でもある。 そんな事を想像し、U2宅へ向かった。
今日は、壁は濡れぎみで、ほとんど登れ無いだろうと、想像していた。しかし、到着してみるとビックリするほどに乾いていた。 代わりに、ベルグラが張り、氷柱が下がっていた。 20年前は、ここは氷瀑だらけだったのではと思うほど発達しているところもあった。 冬に逆戻りであったが、クライミングジャンキーには打って付けの日なのだろう。嬉しくてしょうがなかった。「神様が、仕事してる場合じゃないぞ」と言っているようであった。 登らないと! …まして釣りしてる場合じゃない。
最近影響されたフレーズに「存在しているだけでは、生きているとは言えない」というのがある。これはある年寄サーファーの言葉だが、「地球の鼓動を感じ、自分の本当にやりたい事をして、健康になる」という話の一部に出てくることだ。 いろいろ含みはあるだろうが、僕らはここに来て、岩にかじりついていると、その瞬間は本当にその意味を理解している気がして至福の時間を過せる。 だれも来ず、誰も知らず、誰の賞讃も期待せず、ただひたすら自己満足のためにトライするのは、結構楽しい。ただ喜びをわかつ仲間はいるので、それだけで本当に十分だ。
僕は、ムスカリの群生を自然界で見たことはないのだが、存在するのだろうか? 一株が大きくなっても、10本無いほどの花を咲かせ、それが家族の様に水辺や路地などに咲いていることが多い気がする。ブルーの好きな人にとっては、なかなかいい色で咲いているので、この花が好きな人も多いだろう。 以前、庭に植えたこともあったが、うまくいかず、今は僕の家のには咲いていない。
この白く乾いた壁は、全くクライマーにとって堪んない、水辺かも?
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