東京にある「ビュークスの岩場」という冗談が、納得してしまうほどの変貌をとげたとその岩場に、僕はビックリし、大笑いしてしまった。嬉しくてしょうがない。トレッドヘアーの泣いていた子が、ショートヘアーになり、笑っているようだ。 これだけ綺麗になってみると、まだまだ魅力的なラインにトライしていない事に気付いてしまった。 しかし、ホールドの風化も進み、ボルトの交換が必要な個所がいくつかあるため、ヤバそうな所は、これから先輩達と作業をしなければならないだろう。 又この場所では、今まで人に会ったことがなかったのに、今日は僕ら以外に2パーティーのクライマーが訪れていた。 ビックリして聞いてみると、1パーティーは「城ヶ崎は、順番待ちでもう嫌だ」。もう1パーティーは、「河又が登れまくなったので」とういうことだった。 予想通りの答えだが、この調子でここにも人が来て、順番待ちとなり、河又の弐の舞にならなければいいがと、つい考えてしまう。(「ちょっと気になったラインがあったので、」って言ってほしかった。) 全てフリークライマーに、(直接事故には関係ないかも知れないが、僕の気持ちとして!)山屋となり縦走から始めなさいとは言えないが、アルパイン的なロープワークや、セルフビレイ、セルフレスキュー、登高、降下、空間作業ぐらい出来ておいてほしいものだ。出来れば、結び目通過ぐらいも。 そしてこの先、ヒュウマンエラーの事故を皆無にすることが出来ないと、エリアの存続は、あり得ないだろう。 今のクライマーは、確実にグレードなどの数字は上がり、基本的な身を守るための面倒臭い知識や技術、経験は無くなっている。順番は違えど、必要なことは学ぶべきだろう。形より、本質(本物)を見るべきだろう。 |