快晴の日曜日の釣りは期待できないと思いつつも、魚がヒットした時の先日の手応えが忘れられず、再び出かけることにした。 ゲリラ豪雨を警戒しつつ、携帯電話で雨雲レーダーをチェックしての釣行だった。 午前中は快晴だったので、流石に先行者は多く、砂地には無数の足跡が確認できる。 水量も、ここ数日で一気に減ったようで、渡渉が随分楽になった。 その分、どこまで行っても足跡は消えず、先行者の釣った後をなぞり、棒を振ってるだけの様な気がして、ますます集中できない。
仕事明けで来ているため、入渓は先日よりかなり遅く、15時過ぎだった。 17時を回ると上空ではかなり怪しい雲が広がり、空気感が変わる。 沢全体は薄暗くなり、猫の喉鳴らしの様な音が上空から聞こえ始める。若干恐怖を感じる。携帯の雨雲レーダーには、際立った雨雲の表示はない。 避雷針の如き竿を、若干倒し釣りを続けていると、いきなり上空が光り、大きな音がする。 上空の雲の中で雷が走り、雷鳴が聞こえた様だったが、それだけでビビリ、慌てて竿をたたみ、薄暗い沢の中を小走りで抜ける。 こんな時は、一人で山の中にいるのが心細くなる。 こうなると、もう釣行ではなく、沢登りの様だ。 そんな中、巨大なアザミを見つけた。この場所に毎年咲いている気がするが、こんなに巨大だっただろうか?残暑厳しい中でのお花見といった感じで、なかなか良い。 心細かったのも少しなごみ、写真を撮る余裕が出てきた。 花の大きさは、大きな物だと子供のコブシ程もある。このアザミは、また来年もまた咲くことだろう。
車に戻りウェーダーを脱ぐと、長靴の膝下部分のウェット生地には草の種子が着いていた。もう秋も近い。 今日は、残念ながら、釣果は0であった。しかし、不思議と気持ちは結構楽しい。 来年もこの時期に、またあのアザミに会えるといいのだが…。
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