体を温めようと、ゆっくり沢沿いを散歩すると、流芯から外れた開けたプール状には、岩影や水中の枯葉の間を数匹錆びたヤマメが行き来している。そのプールの水流は、極めて弱く、日当たりがよく、水中は起伏が激しいゴロタ状だ。それにプラスし、流木や枯葉がかなり積っている。水深はたぶん50p前後が平均だろう。 「こいつらこの時期は、こんな感じの場所に群れてやがる」。そんな事を思いながら、影が映る方向に太陽を背負わない様に注意しつつ、しばらく観察した後、握りやすい丸目の石を拾い、岩場に戻った。 今までしっとり黒く濡れ、なかなか湿気が抜けない天井は、すっかり白く乾き、ベストの状態だった。 ここは、シーズンは決して長くないし、こんな寒い場所に、一緒に来てくれるパートナーも多くはない。 こういった時に、RP出来なければ本当にダメ野郎だろう。そんな事が頭に浮かんでいた。 TRでアップをした後、本気でトライしたが、核心手前でスリップしてしまいホール!しかし、以前とはまったく感覚が違う。かなり優しく感じる。 次は出来ると確信し、5分ほどおき直ぐにスタートしたが、頭が若干混乱していたのか?ムーブの手順がいつもと違ってしまった。自分がビックリしつつも、どうにか核心まで来た。そのため、かなり手が張ってしまった。もう次はないと思い、どうにか繋ぎ、デットポイントを止め、その後も慎重に終了点までを登り終了した。 こんな暮れに一緒に行ってくれたKさんには感謝します。ありがとうございます。 来年もよろしくお願いします。
これが今年の登り納となるが、季節の移り変わりの中、それを確認できるような出来事と山の景色をのんびり見ながら、趣味のクライミングを楽しめたことが本当にいい最終日となった。 |