Grimperときどき脂鰭そして流されて

Master of Stoneに憧れつつも、パートナーのいない日はTrout Fishingに出かけてしまう日々の記録
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...... 2011年02月01日 の日記 ......
■ Vertical Ice&Trad in 湯川   [ NO. 2011020101-1 ]

 計画では、アイス&トラッド、とても楽しそうなトリップとなりそうだった。

 

 朝6時半にU2が迎えに来てくれた。途中、林道は凍てついていたため、徒歩となったが、9時半頃にはゲレンデ周辺にいただろうか?それからお互い2〜3本ほどアイスを登り、昼食休憩となった。

 僕は何故か、昼食を買い忘れ、U2にパンを分けてもらった。

 嘗ての憧れの場所だけに、氷のカーテンが前の晩から頭の中でグルグル回り、舞いあがっていたのかもしれない。

 その美しいカーテンは、かつて登ったことがないほどハングしていた。僕の常識では、重力に従って落ちる水が凍るのに、ハングはあり得ないのだが、ここはルーフに近い、巨大な氷柱となり発達している。

 

 バイルを打ちこむと、巨大な木管楽器の様に低い音で、短く響く。心まで痺れる感じだ。アイゼンで必死にスタンスを求めると、ペットボトル大でバラバラと落氷する。

 たかが17〜18m程だと思われるが、そのバーティカルアイスを上まで揚ると、前腕はパンプしていた。

 山屋的正しい疲れ方と言った感じである。

 憧れていた、エリアにやっと踏み入れ、クタクタになるまで体を動かしつくした。

 

 夕方になり、帰路につくかと思い気や、僕らは何の迷いも無く、時間のみを確認し、自然とそのままの格好で岩場へと向かった。

 ゴルジュの合間にあるアイスゲレンデと違い、岩場は日当たりがよく、夕方15時を回ってもまだ暖かだった。

 取りあえず、暖かいところを目指し、体を休めようと思い、岩の下に来ただけだったが、岩を見てしまうと、日が高いし、「取り合えず登るか」といった具合になる。

 特に相談するわけでもなく、「じゃあ数本登って帰るか」と言った具合に会話が出て、オブザベをしながら準備に入る。

 凍ったロープを結び、かじかんだ足を山靴からクライミングシューズに履き換え、バイルをおろし、チョークバックを付け、肩から下がるのは、スクリューからカムへと交換される。

 なんだか、行きたい時に、行きたい場所へ行く仲間がいて、登りたい所を、どんどん登っていく様に錯覚してしまうほど楽い。…すこし自由に成れてきた様な気がして、やっとクライミングが体に沁み込んできたかもしれない。…と云うような、嬉しさが込み上げてきた。

 

 あとあと考えると、こんなことが出来るのも、なんて素晴らしい、クライミングバムパートナーが居てくれたかと感心してしまう。

 

 時間的に、「サイコキネシス」と「コークスクリュー」の2本しか登攀できなかったが、基本的に氷の準備をしていたため、カム類の数は少なく、ランナウト、ズラシなどで対応せざるえない状態だったため、かなり充実し、忘れがたい思い出となった。The mind is free.といった事を感じたのは、多分U2も同じだろう。

 最後は二人とも、クタクタで、充実を実感しながら、帰路に就くことが出来た。

  


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