それは、クライマーがクライマーであるために必要な岩場なんじゃないだろうか??自分の感性で、岩に惹かれて登る連中は非常に減っている。 そう、U2に言うと、同じように感じているらしかった。ここは、基本的にトポはない。それもまた一興。本当に素晴らしいことかもしれない。トポを確認し、数字を登ることは出来ないだろう。(いつも基本的には、トポを持ち歩かない習慣の、僕の周りの、幾人かしか見ていないこのブログで、そんなことを言っても意味がないのだが…。) この岩場の存在意義を考えると、クライマーがクライマーであるべきために必要なエリアなのだろう。自分の目で感じ、惹かれたラインを自分の感性で登る。 U2は思ったとおり、12−のワンピッチ35m程あろうかという、そのアルパインチックな、…、それに2度チャレンジした。 そのラインは、少し浮いているところが多いので、僕は、ホールラインを外れ、少し木の陰でビレイに入る。 暗くなりロワーダウンをする際、もうU2は闇の中で薄らと影が見える程度だ。脚元の端末にコブを作り、途中のラッペルステーションでの行動を想像し、ラインを操作する。 慣れた仲間とは言え、なかなか緊張する。 クライミングを始めたときに「これは遊びなんだけど、命が懸ったものだから、本気でやってね」と岩場(日和田)で言われたことを思い出す。何年前の事だろう?高崎駅前のあのマスターはまだ元気だろうか? |